NHK Eテレでテレビ番組『100分de名著 サン=テグジュペリ 星の王子さま』の最終回(第4回)を見る。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『星の王子さま』は読んだことがあるのだけれど、この番組を見てこんなに深い内容をもった児童文学の小説だとは思わなかった。私が読んだときは何だかよく分からない話だなあという印象しか残っていない。全然内容を理解して読んでいなかったと言える。テレビ解説はおそらく通説にしたがっていたものと思われる。通説のファンタジー説は小説の内容をファンタジーとして解釈している。ところが、それに対して当時の時代背景にもとづく政治的な告発をしているとする政治説が有力説として主張されているようである。小説に内容に関して異説があるわけだから一般の読者としては戸惑う。ただ、一般の読者は当時のくわしい時代背景など知らないから政治的な事件や出来事と結びつけて読むなんてことはできないだろう。とするなら、ファンタジーとして読むのが普通なのではないだろうか。
【ゲスト】水本弘文[北九州市立大学名誉教授]、中嶋朋子[女優]、【司会】伊集院光、島津有理子、【語り】西堀裕美、【声】浦和めぐみ、寺元勲、仲井陽
サン=テグジュペリ『星の王子さま』 2012年12月 (100分 de 名著)