関西テレビの金曜プレステージで2月15日(金)21時〜22時52分に放送されたテレビドラマ『堂場瞬一サスペンス 逸脱 捜査一課・澤村慶司』を見る。
神奈川県警捜査一課の刑事・澤村慶司(反町隆史)は不眠症の治療のため内勤扱いになっていたが、捜査一課長の谷口吾郎(橋爪功)に呼び出され、新米刑事の永沢初美(比嘉愛未)をパートナーに10年前の未解決事件を模倣したような連続猟奇殺人事件の捜査にあたることになる。今回の連続猟奇殺人事件の手口は10年前の未解決事件の犯人しか知り得ないものだった。もし同一人物だとすれば、なぜ10年もの間犯行が行われなかったのか?また、犯人が別の人物だとすれば、なぜ警察しか知り得ない犯行の手口をまねることができたのか?
ドラマでは、犯罪手口を模倣できるのは警察関係者ということと、谷口吾郎が個人的に捜査を行っていたということなどから、容疑者は谷口吾郎ではないかと疑いを持たせるようになっていた。しかし、犯人は4年前に警察を辞職した元刑事の鬼塚修平(片岡鶴太郎)だったのである。
澤村慶司は先輩刑事の鬼塚修平とかつてコンビを組んでいて、正義を貫き通した最高の刑事として鬼塚修平のことを最も尊敬していたのである。私もまさか鬼塚修平が犯人だとは気がつかなかった。実は、10年前の未解決事件で殺害されたのは鬼塚修平の恋人だったのである。当時、捜査が打ち切りになったことがきっかけで、苦情を言い上司を殴ったことで鬼塚修平は警察を辞めることになったのである。そして、鬼塚修平は恋人が殺された事件の関係者に正義という名の復讐を行っていたのである。
澤村慶司もまた過去の事件でトラウマを背負っていた。少女の首にナイフを突きつけて人質に取った犯人を射殺しようとしていたところ上司の命令で発砲を止められ、そこへ来た鬼塚修平に発砲を促されたのだが、犯人を射殺するため発砲することができなかった。そのため、少女は犯人に首を切られ声が出なくなってしまったのである。澤村慶司はその少女との交流をずっと続けている。
サスペンスドラマとしては犯人が意外な人物だったということを除いて平均的な出来であった。
【キャスト】澤村慶司(反町隆史)、永沢初美(比嘉愛未)、鬼塚修平(片岡鶴太郎)、橋詰真之(ムロツヨシ)、西浦喬(相島一之)、浅羽克己(白竜)、菊村勇夫(飯田基祐)、武生仁(本城丸裕)、柏原一光(窪園純一)、狭間千恵美(日向ななみ)、谷口吾郎(橋爪功)
【スタッフ】原作:堂場瞬一『逸脱 捜査一課・澤村慶司』(角川文庫)、脚本:吉川次郎、編成企画:水野綾子、プロデューサー:椿宜和[角川映画]、竹下舞[角川映画]、監督:西浦正記[FCC]、制作:フジテレビ、制作著作:角川映画