浅見光彦シリーズTBS版のシリーズ32作目から、浅見光彦役が沢村一樹さんから速水もこみちさんに交替になり、今回からTBS版の浅見光彦役の三代目になる速水もこみちさんが初登場するということで見てみることにした。
この「天河伝説殺人事件」は原作シリーズの中でも人気を誇っているものである。
速水もこみちさんの浅見光彦は、これまで榎木孝明さんや沢村一樹さん、中村俊介さんらの浅見光彦のイメージとはちょっと違っていたが、それほど違和感はなかった。
天河伝説殺人事件では、表面的に殺人の動機を色濃く持つのはヒロインの水上秀美(黒川智花)の母親である水上菜津美(伊藤かずえ)である。ところが、父親の愛人だった小学校教諭の長原敏子(田中美佐子)と能の流派・水上流の長老である高崎義則(篠田三郎)のそれぞれが別の犯罪の実行者だったという結果を用意している。しかも、長原敏子は水上流宗家の水上和憲(江原真二郎)を殺そうと仕組んでおいた仕掛けで自分の一人息子の水上和鷹(窪塚俊介)が死んでしまうといった意外性と悲劇へと展開させている。原作シリーズの中でも人気があるというのは宜なるかなと思う。
テレビドラマとしては他の浅見光彦シリーズと同様相変わらず面白いというほどではないが、他の他の浅見光彦シリーズと比べてまあまあの出来ではないだろうか。
【キャスト】浅見光彦(速水もこみち)、浅見雪江(佐久間良子)、浅見陽一郎(風間杜夫)、長原敏子(田中美佐子)、水上秀美(黒川智花)、高崎義則(篠田三郎)、水上和憲(江原真二郎)、水上菜津美(伊藤かずえ)、水上和鷹(窪塚俊介)、瀬田謙三(岡本信人)、新井佑介(ラサール石井)
【スタッフ】製作:テレパック、TBS、制作:テレパック、原作:内田康夫「天河伝説殺人事件」(角川文庫)、脚本:林誠人、プロデューサー:矢口久雄、篠原茂、演出:村上牧人、編成:永山由紀子